それぞれの想いを抱えた人物達が織りなす、繊細な人間模様の豊かさ

体面が大事で、しがらみだらけの貴族社会。登場人物達は、不本意な状況の中で振り回される人々が多いのです。

うーん、結局、人っていつの時代も自由ではないのね……なんて思いつつ、それでもそれぞれの想いを抱え、もがく姿に勇気づけられます。

第1章ではラルフとゾフィーの物語が、第2章ではラルフのお兄さんであるゴットフリートと元婚約者アントニアの物語が展開します。

丁寧にタペストリーを織るかのように描かれる物語。
物語が終わる時には、どんな模様が見えるのか、そんなことを思いながら読んでいます。

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