悪役令嬢モノの王道のようで、じっくりコトコト煮込まれていくような逸品。

四十にして惑わず――不惑という言葉が『論語』にありますが、果たして彼女は惑わずに戦い抜くことができるのでしょうか。

主人公は40歳の新谷百花さん。
女の40歳というと、一般的には結婚していたり、もしくはバリバリに働いているようなお年頃でありますが、彼女は記念すべき誕生日の日に深酒からの転生をキメてしまいます。なんてこったい。
しかも転生先は、――いやいや、夢に違いない。わたしがお嬢様だなんてそんな。

エリザベトとなった彼女はマイペースに、ゴロゴロしたり父上との食事を楽しんだり、本当にマイペースに乙女ゲームの世界を〝夢〟として過ごしていきます。悪役令嬢なんだけどな。このゆっくりまったりとした作りが、物語世界にじっくりと引き込ませてくれます。

語り口が軽妙で読みやすいです。
これからの王太子との戦いに注目したいところ!

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