人間ドラマの重厚さとミステリーの驚きが絶妙にブレンド

戦後まもなくの人里離れた集落を舞台にしたミステリーです。

戦後まもなくならではの人心の荒廃した雰囲気が巧みに表現されていて、独特の暗さが物語全体を支配しています。

主人公は復員兵で、戦中に壮絶な体験に遭い、今も罪悪感やトラウマを抱えています。

その主人公の贖罪と救済が全体としてのテーマであり、濃厚な人間ドラマに引き込まれました。

と同時に、ミステリとしての面白さにも抜かりがありません。

本作での試みは、なかなか大胆不敵であり、キャッチコピーの「奇想のどんでん返し」はハッタリではないと感じました。

人間ドラマの重厚さとミステリーの驚きを兼ね備えた本作、おススメです‼

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