移りゆく季節。美しく激しく、あまりに切なく、けれどとてもやさしい物語。

 記憶喪失の少女アンナと、地下牢で眠る美しき青年ルー。
 その初恋は、寒さ厳しい冬の地下牢からはじまった。

 物語を象徴する四季の移り変わり。
 五感に訴えてくる色彩と温度。

 魔女とは、罪とは。
 過去から、己の心から。
 逃げて、目をそらして、否定して、怒り、憎み、それでも人は——

 とても美しく、激しく、あまりにも切なく、けれどとてもやさしい物語です。

 アンナとルーと、彼らをとりまく人々。敵も味方も、きっとみんながそれぞれに目一杯生きたからこそたどりついた結末で。読後の余韻がたまりません。
 このエンディングを見られてよかった。心からそう思います。

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