催花雨

僕は泣いた 

その足跡も追えないなど

分かり合えるまで

契りを交わしたのに


君は空に散っていった


その湖に潜む名前のない魚が

過去を振り返りたいなら

ひそめながら堕とせよと

告げる


桜雨が流れて跡形もなく

樹々の儚さを知る

新芽が時の始まりを告げる

予感がもうそこまで来ている


君たちは僕を知らないだろう


それでも青の季節を迎える笑みに

どうか悔いのないよう

不慥ふたしかでも道を貫き

生きていってほしい

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