欵冬華(ふきのはなさく)

春はまだかと君は鳴く


陽光に照らされ露が垂れる頃

君は白雪から顔を出す


厳寒の地に居座るも

野山を駆け回りては

木の実を齧りし袋に集め

身を寄せ合う栗鼠の親子


高らかにくうを舞う

とびの羽の色付きも

光に増して濃淡に見せたる


春はまだかと君は募る

近し立春の待つ日に寒椿は

こちらを向いて微笑みし


春はまだかと君は鳴く

白き綿毛はもうすぐだと開きたもう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る