初凪

この世の夜明けよ

内なる願いに寄せて立て


水平の彼方から

我らの希望が登り始める


本坪鈴の

一年の時を楽しみて

千両の枝垂れに

頬を染めしみ溢るる


硯の匂ひと滲む墨に

したため初願の一筆を


奮い立たすは目赤の如く

癸卯みずのとうの跳躍に

思ひを託す


遠き海原うなばら

萌芽の候に祝福あれ

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