飛花

いつも歩く通りから少し離れた場所へと

繰り出す


満開に咲く桜が薫る下

ひらひらと肩の上に花弁が一つ

河川敷にもまばらに桜雨が降り

やがて突風とともに一気に舞い上がる


貴方には何が見えるのか

私の心に沁み渡る悲恋を

私には貴方の翳る明朗が

そこまで呼んでくれることを


貴方と私 互いに触れ合う気持ちが

今にも寄り添いそうだ


桜は告げる 和解という絆を結び

人が優しくなると 次の季節を迎えるのだと


安寧此処にありて人は何を想うのか

麓に帰れば鳥は応えてくれるのか


貴方と私 互いに触れるこの気持ちが

今こうして寄り添い合える嬉々を

噛み締めて

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