小雪(しょうせつ)

朝目覚めるとカエデの落ち葉が

色彩を敷くように広がっていた


何でもない日常だ

優しい歌が流れている


街角の花屋に

カナダトウヒが並んでいる

彼は微笑んで

家に飾りたいと目を輝かす


私は思う この国の裏側で

泣いて過ごしている

人々の日常が

1秒でも早く穏やかになることを


責めることなど もう十分だ


あなたにこの実を捧げたい

そしてその宿木に飾って

愛する人と結んでほしい


何でもない世界に

優しい歌を奏でてあげよう

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