第6話
政人の高校と瑞樹の高校は近いは近いが、駅で言えば二駅は離れている。 六時間目は今先程終わったばっかりだ。 それなのに瑞樹は今まさにここにいる。
政人は不思議に思いながら、その謎を解く為に瑞樹の横に付くと、
「なぁ、瑞樹。 六時間目はどうしたんだ?」
そんなことを政人に聞かれるとは思っていなかった瑞樹はビックリした顔をすると顔を俯け、顔を赤くするのだ。
「なぁー」
「あ、いや……別に……な、何でもねぇよ」
「それじゃ、答えになってねぇから」
そうモゴモゴしていて瑞樹はなかなか答えない。
政人は『ま、いっか……』と、思いながら瑞樹の後を歩き電車で家の最寄り駅に向かう。 その間も無口のままの瑞樹。
駅に到着しても雨は未だに降り続いている。
政人は傘を持つのが嫌になったのか瑞樹の横に並び一緒に入るが今日の瑞樹は怒る気配がない。
いつもなら政人がそんなことをすれば、思いっきりゲンコツをしてくるもんなのだが、今日はそれも無くただただ今日は商店街を歩くだけだ。
すると商店街を歩いていると、ある一人の女性が瑞樹に声を掛けて来るのだ。
「瑞樹? あれ? 仕事で帰ったんじゃなかったの?」
そう口にする瑞樹と同じ学校に通う同じクラスである幸が声を掛けて来る。
それに反応をする政人。
と政人がニヤニヤとしていると、やたら頭や肩が冷たい。
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