第4話
ここの屋上は生徒立ち入り禁止の場所だ。 きっと自殺防止とかの為に普段は立ち入り禁止にしているのかもしれない。 だが、ちょっとしたコツを掴めば屋上へと出る事が出来るのだ。 政人は軽々と屋上へと通じる扉を超えるといつものように屋上へと忍び入る。
学校の中で一番、過ごしやすい場所でもある。
絶対に誰も来ない。 だから昼休みはゆっくりと静かに昼寝が出来、唯一ゆっくり出来る場所だ。
政人は弁当を食べ終えると横になって空を見上げる。
すると朝の青空は何処に行ってしまったのであろうか。 今は厚い雲に空は覆われ今にも雨が落ちて来そうな空模様だ。
「やっぱ、瑞樹の言う通りだったみてぇだな。 傘どうすっかなぁ? マジで信じてなかったから、置いてきちまったし。 濡れて帰るしかねぇよなぁ」
政人はそう大きな溜め息を漏らすと、雨が政人の頬に一粒落ちて来て政人の頬を濡らすのだ。
「ヤッベッ! とうとう、降ってきやがった!」
政人はそう一言漏らし、弁当包みを手にすると急いで校舎内へと入る。
政人はバレないように屋上に通じるドアの鍵を閉めると教室へと向かう。
政人が教室に戻ると雨は本格的に降って来たのか政人が座っている教室の一番後ろの窓側の席からは校庭が見え、校庭の砂を濡らしていっていた。
さっきまで青空だったのが嘘みたいだ。
今日の六時間目は政人が唯一好きな体育の時間で、水泳の授業だったのに、これでは授業は体育館でバスケットかバレーボールだろう。 運動系が得意な政人にとっては特に嫌いな種目ではないが水泳の方が断然に楽しい。
はぁー、と政人は溜め息を吐くと机に顔をうっつぶせ昼寝を始めてしまうのだ。
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