第5話
やはり雨とは憂鬱な気分になる。 ヤル気も起きなくなるような感じになるのはなんでだろうか。
政人は寝ると決めるとトコトン寝続ける。
そして政人が思った通りに六時間目はバスケットになった。
嫌いじゃないが、やはり水泳が良かったと思う政人。
そんなことより、今政人が考えることは傘をどうするかではないであろうか。
六時間目が終わりSHRを終えると政人は昇降口へと向かうのだ。
未だに降り続けている雨。 おまけに雷も鳴り始めた。
それでも早く帰らないと家事やら何やらをやるのが遅くなって、瑞樹とイチャイチャ出来る時間が無くなる。
今はそっちの方が大事だ。
政人は雨に濡れる覚悟で靴に履き変え頭には何も入っていない鞄を乗せると、校庭の砂いや今は泥化した上をパシャパシャという音を立て走り抜ける。
そして校庭を抜け校門まで行くと見慣れた顔が見え走っていた足を止める政人。
「あれ? 何で瑞樹がここに!?」
「別に……」
そう言って瑞樹は先に歩き始める。
そして瑞樹は鞄をゴソゴソとすると政人に折り畳み傘を無言で渡すのだ。
「……へ? 傘……?」
「朝、持って行かなかっただろ?」
「まぁ、しかも、俺のじゃねぇかぁ! まさか、わざわざオレの傘を瑞樹が持っていたのか?」
「まぁな」
そう答える瑞樹。
そこで政人は不思議に思う。 確かに瑞樹に傘を持って来てくれたのは嬉しいのだけど今日は瑞樹も授業が六時間目まであった筈なのに政人より先に瑞樹が通う高校の校門の前で待っていたという事だ。
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