第3話

 政人は未だに信じていない様子で、ご飯を食べ終えると食器を流しに置き水へと浸す。


 流石に忙しい朝は食器を洗っている暇は無いからだ。 いつもこうしておいて先に帰宅してくる政人は食器を洗っていた。


 政人は食器を水に浸した後に二階へと上がり今日の学校の用意を始める。


 教科書類は学校に置きっ放しではあるが、流石に制服には着替えないとならないであろう。


 政人は普段着から制服へと着替え終え、再び瑞樹が居るリビングへと向かうのだ。


 瑞樹は食べ終えたのか、食器を流し台に置いている所だった。


「政人、鞄に傘入れたのか?」


 朝から何度もしつこく『雨が降る』という瑞樹。 だが政人は未だに信じていない様子で、


「傘なんていらねぇよ。 鞄が重くなるだけだから、持ってかねぇ」

「そうか……そう言う事な。 俺の言葉、信用してねぇんならいい……。 とりあえず雨降って濡れて、風邪引いても知らねぇからな!」


 そう言って瑞樹も学校の用意の為に二階へと上がって行くのだ。


「……ったく。 何で朝から怒ってんだぁ? 瑞樹らしくねぇのー」


 政人は瑞樹の言葉に文句一つ言うと、今度は政人が瑞樹が用意出来るのをリビングのソファで待つ。


 十分位すると瑞樹が階段を降りる音が聞こえて来て、政人はそれに合わせて玄関へと向かい、そして二人は玄関を出ると瑞樹は学校がある方面へと歩き出し政人は駅へと向かうのだ。




 それからまだ学校の授業が終わらない午後からの昼休み時間。


 政人はいつも一人で過ごせる学校の屋上でご飯を食べ始めるのだった。

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