第2話

 ある日の朝。


 いつものように早く起きた政人は下に降り朝食の準備を始めるのだ。 寧ろ、それが政人の日課でもある。


 政人は朝食の準備の為に早く起きたが相変わらず瑞樹はギリギリまで寝ていることが多い。 不思議なことに今日は珍しく早く起きて来てリビングのソファで新聞を開き読んでいる。


 そんな光景に政人は笑みをこぼすと、早速、朝食の用意と弁当を作り始めるのだ。


 朝からキッチンでは野菜や肉達のリズムいい音楽が部屋中に鳴り響く。


 そうして料理が出来上がった頃。 朝の挨拶を済ませてからの瑞樹からの一言は、


「今日は傘持って行った方がいいらしいよ」

「マジで!? ……ってかさ、今、晴れてるじゃねぇかぁ」

「今は晴れていても午後からは降るらしいって言ってたからな」


 そう瑞樹は言うが今日は梅雨の時期だというのに窓から空を見上げてみると、雨が降りそうな予感はまったくもってしない。 空は梅雨の晴れ間というのであろうか。 雲一つない青空が広がっていた。


 政人は首を傾げながらも出来た朝食をテーブルへと並べ始める。


 今日はありきたりではあるがハムエッグにパンという組み合わせだ。


 政人はテーブルにそれらを並び終えると、ソファに座っている瑞樹を呼ぶ。


 そして「いただきます」を言うと、食べ始める。


「な、さっきの話は本当なのか?」

「みたいだぜ。 新聞の天気予報にそう書いてあったし、ニュースの天気予報でも言ってたからな」


 瑞樹はそう言うが未だ信じられない政人。


 本当に今日は雨という言葉が似合わなそうな空模様なのだが、それでも本当に降るのであろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る