【追加資料】当古文書に関連した古文書について
【調査委員会による注記】
下記の古文書は既にイスパハルの城の王族の居室から発見されていた手紙です。内容から、今回発見された古文書との関連が見られたため、両者を同じデータベースで関連づけて公開するものとします。
−以下、古文書本文–
国王陛下・女王陛下
まず、私たちの婚姻を認めていただいたこと、改めて心より感謝申し上げます。
私と王子が結婚するということは、王子はイスパハルの民であることを捨てることとなります。お二人が必ずしも自分達の子に国を継がせるとお考えでないことは王子からお聞きしましたが、かと言って大切なご子息と離れることが好ましいはずがありません。
私がイスパハルへ訪れた数ヶ月後、ある日突然王子がたった一人でアイデリアへ来てくれた時、私は嬉しさよりも正直、恐ろしさを感じ震えました。大国イスパハルを怒らせれば私の国などすぐさま消し飛んでしまう。
どうしてももう一度私に会うために、国王陛下と女王陛下に黙って来たと言った王子は、私にもう一度すずらんをくれました。本物のすずらんではありません。今は花の季節ではないからと、白樺の幹の瘤を彫って作ったという小さなブローチでした。器用な人だなあと思いました。
イスパハルではすずらんの花を贈ることは恋心を伝える意味があると王子に聞いたのもその時です。私の国にすずらんが咲かず、その通説を知らない事をその時の夫は知りませんでしたから、恋に破れたと思っていたそうです。それでももう一度会いに来たというのは、かなり勇気のいることだと思います。でもそうしてもらえなければ、私は夫と結ばれませんでした。
これからも私はアイデリアの女王として、夫と共にアイデリアが豊かで平和な国家民に尽くしその平和に一生を捧げることを誓います。
イスパハルの永遠の平和とさらなる発展をアイデリアより、心からお祈り申し上げます。
“
"狼娘"アリン女王のイスパハル王国訪問日記 萌木野めい @fussafusa
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