悪を斬り、己の正義をなす風来坊が、無法の世界をまかり通る。
- ★★★ Excellent!!!
古代中東やモンゴル系などをおり混ぜた、深みのある練られた世界観に、ゴブリンやドワーフといった人型の異種族が人間と共存しています。種族ごとに考え方や価値観の相違はあるものの、みな人並の知性や理性があり、見た目以外は人間といっても差し支えないほどに世界にとけ込んでおります。
雰囲気はタイトルの無法とある通り、殺伐としており金と暴力が全てです。どこか時代劇の様子も感じさせられます。そんな試される世界において、主人公は損得勘定なしに弱きを助け強きをくじきます。
主人公の前に立ちはだかる敵も、単なるやられ役ではなくしっかり有能です。ボスの腹心に至るまでじっくりとキャラが練られており、読んでいるうちに彼らの息伝いを感じられることでしょう。
総じて、地に足の着いたファンタジーを求める方に強くオススメできる作品となっております。
この作品が埋もれているのは本当にもったいないです。読めばもっと評価されるべきと思うのは、きっと私だけではないでしょう。