綺羅星のような群像劇。優しく美しい人々の人生が、最後に激しく燃焼します
- ★★★ Excellent!!!
罪を負い故郷を去る、銀髪の美しい主人公を中心に、
彼を追うもの、慕うもの、嫉妬するもの、
国を憂う王、野心を抱くもの、邪なものたちの人生が、
時には喜びに満ちて、時には血と苦痛にまみれて、
交差していきます。
キリシャを舞台にした歴史物語ですが、
スパルタって、恐ろしい戦士だけの国ではなかった。
アテナイは、民会と修辞学だけの国ではなかった。
こんなに魅力的な人々が暮らした世界なんだ、と思うと、
ギリシャ文明のイメージが、大幅にアップしました。
文章がとても読みやすくて、ぐいぐいと引き込まれます。
ギリシャに興味がある方も、そうでない方も、
ぜひ手に取って、読んでみてください。