ギリシャ・ポリス興亡史を軸とする壮大な恋愛・人間ドラマ
- ★★★ Excellent!!!
舞台は紀元前4世紀のギリシャ・スパルタ。親切に書かれているので、古代ギリシャのことをよく知らなくてもすんなりと物語に入っていけます。それに登場人物が皆、生き生きと描かれていて共感できます。
主人公は、快活なアフロディア姫と、彼女が恋に落ちる謎の多い美青年ティリオン。彼の謎に、ポリス内部やポリス同士、ペルシャの陰謀や戦いが複雑に絡まり、スパルタは運命の日にどんどん近づいていきます。その過程の描写は真に迫り、手に汗を握る展開です。それに加えて、秘密の素性ゆえに困難にぶつかるティリオンとアフロディアの恋路の行く末も見逃せません。最後は涙なしには読めません!
でもこれで終わりではありません。アフロディアとティリオンのその後は、続編のギリシャ物語IIでを知ることができます。それにアフロディアに知り合う前のティリオンのことも外伝で読めます。話に広がりがあって楽しめる作品です。