ロケット輸送が抱える”膨大な打ち上げ費用と貧弱なペイロード”という欠点を解消すべく、宇宙まで届くエレベーターを建設する近未来IF物語。
徐々に完成に近づくエレベーターと宇宙作業員たちの奮闘、天才的頭脳と野心を併せ持つ計画責任者と大国首脳の思惑、そういった要素が映画的にドラマチックに描かれ、予想もしない怒涛のラストへと雪崩込みます。
『PROJECT BABEL』…果たして現代に蘇った「バベルの塔」=宇宙エレベーターは天罰を受けるのか?否か?
33000字という短いボリュームが惜しい!と思わせる程の壮大な秀作。
是非ともお読みいただきたい<(_ _)>
地上と宇宙を繋ぐ長大なエレベーター。
それが「軌道エレベーター」です。
エレベーターに乗るように宇宙に行ける。簡単にモノを宇宙に運べる。
計り知れないほどの存在価値をもつ夢の施設、軌道エレベーター。
「人と宇宙を繋げる」というこの施設の存在は、既存の価値観をひっくり返してしまう、凄まじいものです。
この軌道エレベーターが地上に現れたら――?
世界は?
人々は、どんな反応をするのか?
喜び、拍手を贈り、歓喜の中で完成を見届けるのでしょうか。
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この物語は、軌道エレベーターが「現実のもの」となった世界を、極限のリアリティをもって描く素晴らしい作品です。
宇宙という領域をより身近にする、ということは人類の夢です。
その「夢」でありながらも、遠くない未来に起こりうる話として、緻密にシュミレートされた世界を描き切る本作は、まさにサイエンスフィクションの王道を貫き、SFというジャンルの根源を垣間見る作品です。
これは「よく出来たフィクション」ではありません。
さぁ、未来を見に行きましょう。