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第999話 ~物語を書き終えて~

最後まで読み進めていただき只々感謝の一言です。


実はこの作品、かなり古いプロットを元に再構築した作品となります。


自分で読み返していても「重たい文章だな~」と思う事が多々あるので、最後までお付き合いいただけた読者の方はおそらくドッと疲れたのではないでしょうか。せめてその疲れた心のどこかにいくばくかの余韻が残せれば本望かなと思います。



~~~ Web小説としての初作品 ~~~


実は今回の作品がWeb公開した初の作品となります。というかつい最近までWeb小説自体をあまり読んだ事が無かったりします(青空文庫は別)。


なので公開前にいろんな方の作品や創作論みたいなのを覗いてみたのですが、当然のことながら投稿者によって千差万別。ここら辺に関しては雑記の1~2話あたりで触れているので詳細は省きますが、文章の体裁(おもに改行・空行の入れ方)からタイトルの付け方まで試行錯誤しながら今の形に落ち着きました。


難しいなと感じたのはモバイルで読む人とPCで読む人の両方を想定すると、どうにも方針が定まらないという点でしょうか。もし読みにくいと感じた方がおられたらご容赦願いたい...




~~~ 以下、ネタバレ含みます ~~~

(未読の方はできれば読み終えてから...)


物語の終盤とその結末に関して、自分の中で「この終わり方でいいのか」と悩みながら何度も読み返してたりします。


最初期のプロットではセサルなりテオがそのまま「新しい森の礎」となっていく展開が安心して読める流れかなと思って組んでたと記憶してます。


ですがそれでは「旅」ではなくなってしまうと強引にプロットを曲げた結果がエピローグの「セラナの記憶」へとつながります。


成り行きでネビアの街を追われる羽目になったテオとセラナが、ニアブの森を出る段階で初めて北の古森へ向かうと決意するわけですが、この時点では「大樹と古森」の行く末にからんでくるのはヨナスとセサルのみで、テオとセラナは単なる旅の同道者に過ぎません。


セラナに関して言えば、ヨナスとの会話がほぼ無いためにそもそも「何故、古森を目指すのか」が分からぬまま旅している状態です。


このままだと主人公の一人が「自分の軽率な行動 ※」に対する罪悪感に流されて、ただ旅を続けているだけの少女として話の結末を迎えてしまいます。

※ セラナが面われることしなければ、テオは塚を追われずに済んだ


そんな二人が旅の意義を理解し、ヨナスやセサルの想いを「つなげよう」と北を目指す決意を固めるのが「始まりの森」の冒頭あたりとなるわけで、ここから先が本当の意味での「テオとセラナの旅」となります(ちょっと遅すぎますね)。


そして最後に「なぜセラナ?」なのか

それはヨナスやアルジアが負った「守り人である」事の重みを考えると、ただの子供であるテオがいきなりセサルの代役をこなすというのは不自然だろうという理由。


こうして旅の最後の行程は「テオとセラナの二人三脚でなんとか乗り切る」という形に持っていきたかったので、ニアブの森に慣れ親しんだテオが命がけでセサルの記憶の受け皿となり、その彼をセラナが導く(with三日月)という流れに落ち着いた次第となります。


ちなみに砂漠狼の三日月は実際に文章を書いてる最中にこぼれ出た登場人物?ですが、わたしは存外気に入ってます(いろいろと雑ですねw)




~~~ 最終話までを公開し終えて ~~~


もし、この話を叩き台に一からプロットを組みなおすとしてまた同じ結末にたどり着くかは不明ですが、「セラナの記憶」までを公開しおえた現時点ではこの終わり方が今の私の精一杯かなと感じております。


読む側にまわると結構「ハッピーエンド直行」とか「逆転ハッピーエンド」な結末好きなんですけどね(汗




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大樹の物語 秋島保 @t_akishima

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