睨み合いと見つめ合いは、同じ構図であったりする

未だかつてこんなに気持ち悪いスポーツ小説があっただろうか?

いや、あの、のっけから申し訳ありません。
決してディスったわけではないんです。むしろ褒め言葉のつもり、ぐらいの気持ちです。


嘘だろうと思うならまずこの作品を読んで欲しい。
あらゆる意味で、あらゆる方面で、上下左右全方位に向けて、もう完膚なきまでに「気持ち悪い(褒め言葉)」……!

主人公コンビの性格。
正反対なふたりの表向きの顔と、裏側のねじくれた執着心。
そして対戦するライバルコンビの双子兄弟のビジュアル・言動のすべてからあふれ出し、匂いたち、むせかえるような圧倒的気持ち悪さ。
※褒めています

もう、ね……これはダメ。食前食中食後は読むことをおすすめできないレベルですよ、こいつはァ……。
※褒めています


こちらの作者様、同じく卓球ダブルスを題材にとった「ツインツイストドライブトライブ!(副題略)」という作品も書いておられますが、本作はまったく違った趣です。
あっちもあっちで濃すぎるメンバーで濃すぎる試合を繰り広げている点だけは同じなのですが。
「ツインツイスト~」が情熱灼熱殺戮大陸(※人は死にません)で寒い日にオススメな仕様であるのに対し、こちらはなんだろう……かなりゾワゾワさせられるので、なるべく温かくして挑んだ方がよろしいかと思われます。

何言ってるのかわからない? 私もわかんないのでご安心ください。
半田兄弟の魔術プレーに三半規管を破壊されたのでまともに文章が打てないのです。マジです。まさか文章読んで酔う(車酔い的なやつ)ことになるとは思いませんでした。


ここまでレビュータイトルに一ミリもかすってませんが、最後に多少真面目な寄稿をさせていただきます。

憎悪であれ愛着であれ、妄執を込めた眼差しとは、対象に向けられた精神的攻撃に他ならない。たとえ始まりが腐りきった悪意であろうとも「相手を見つめる」行為を続けていれば、無関心な他人よりもずっと理解が深くなる。
ファンとアンチが同源同根の存在でもあるように。

互いを睨み続けたふたりは、誰よりも互いを見つめ合っているのかもしれない。



作者さまへ。
TTDTのノリだと思って気軽に読んだら大変なことになったので狂った勢いで狂ったレビューを送り付ける暴挙をお許しください。今作もとっても面白かったです(ぐるぐる目)

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