「スポーツ小説=爽やか」にどす黒い穴を開ける、ドロドロスポーツ小説!

完璧優等生の善と陰キャ代表の迅、中学からずっとダブルスを組んでいるが、それにはそれぞれ理由があって……。


登場人物の表だけを見ると、どちらもクラスにいそうなキャラクターですが裏面の描写がドッロドロで、とても人間臭くていい味を出しています。
自分のためなら嫌いな陰キャを利用する善も、そんな善を煽ってプライドをへし折ってやろうとする迅も、対戦相手の双子の半田兄弟も、どこかネジが飛んでいる。
そんな奴らがダブルスの試合なんてしたら、まっとうな試合になんてなるわけない。(褒めてます)
……いや、試合自体はまともですが、お互いの駆け引きや感情が描かれることでトンデモない試合にになります。

スポーツものにも、選手の内情や心理描写をかく作品はいくつもありますが、この作品は特に内面の黒い感情を描いており、読んでいてお腹いっぱいになります。

文章自体も勢いがあり、試合の疾走感が伝わってきます。
勢いで一気に読めますが、読む側の熱量も奪われますので気合を入れて読んでみて下さい!

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