第19話 あとがき
この物語をお読みくださいまして、ありがとうございます。
この物語は、2013年10月の創作系同人誌即売会コミティアで、ハロウィンの本を作らないと負け、みたいな気分になって、作りました。
ハロウィンという行事をはじめて知ったのはアガサ・クリスティーの『ハロウィーン・パーティー』を読んだときでした。そのときはそれが何の行事かよくわかってなかったのですが、いまは日本でも定着しました。
ところで、第17話に唐突に登場する台湾かぼちゃですが。
https://kakuyomu.jp/works/16817330648463049407/episodes/16817330648468464065
私は、2009年に半年ほど台北に住んでいたことがあります。
そのとき、夏、台北の北の
ぜんぜん調べずに書いているので、チョコバナナの作りかたとかまちがっているかも知れません。すみません。また、せっかく名まえをつけたのに、一回しか出てこない女の子が二人ほどいます。
……というのが、この物語をコピー本にして販売したときの「あとがき」の大略です。
それから9年経ってしまいました。
9年経ったから、どう、ということもないのですが、いくつかつけ加えたいと思います。
クリスティーの『ハロウィーン・パーティー』は、イギリスで制作され、クリスティーのポワロ(早川書房ではポアロ)ものをほとんどすべて映像化した『名探偵ポワロ』の一篇として放映されました。
このお話を書いたときには見たことがなかったのですが、最近になって再放送で見ることができました。
ドラマ『名探偵ポワロ』は、最終回『カーテン』にいたる終盤で
『ハロウィーン・パーティー』は、原作は、ポワロものとしては、執筆順で最後から2作めとなります(刊行順では、第二次世界大戦の時期に書かれていた『カーテン』が最後に来るので最後から3作め……でいいのかな?)。
この『ハロウィーン・パーティー』にしても、ポワロもの執筆順最後の作品である『像は忘れない』にしても、私は、原作の物語からは、寂しさと、ふしぎな明るさを感じます。
ドラマ版ではどちらの作品もあえて陰翳のほうを強調していて、やや「やりきれない」という気もちになるところがあります。
原作もドラマ版もそれぞれのよさ、印象深さがある作品だと思いますので、どちらもおすすめです。
そして。
翠のことなんですけど!
高校生ハーピストという設定なのに一度もハープを弾く場面がない翠!
いちおう調べたんですよ。
書くために、ハープのことを。
ハープというのは、弦を優しく
じつは
「エアハープ」とかやってみると実感できるかも知れません。右手も左手も前に伸ばして一曲ずっと弦を
楽器も支えなければいけないですし。
さらに、ハープは一オクターブ(ド~シまで)に7本しか弦がないのですが、音は「平均律」で12音あります。そこで、弦の音の高さをペダルで操作するのですが。
曲によっては、このペダル操作がめちゃくちゃにたいへんです。
まあ。
ハープが弾きやすい楽器ならば、それに鍵盤をつけて弾きやすくしようという発想にもならないわけで。
そうやって鍵盤をつけてハープシコード(チェンバロ)ができ、それがピアノに発展したわけですけど。
そこから逆に言うと、ハープは「鍵盤という便利装置がないピアノ」ということになります。その「便利装置」の部分をぜんぶ手と足でやらなければいけないわけです。
だから、ハープを弾くのは、体力的にも、技術的にも、たいへんなのです。
それで、気が強い翠に似合う楽器だろう、と思ったのですけど。
それ以来、書いていません。
ダメじゃん。
この物語を「カクヨム」に載せたのを機会に、続き、ちゃんと書かないとな、と気もちを、ちょっと新たにしております。
気長にお待ちください……って、翠は気長に待つタイプじゃないよなぁ。
翠以外の登場人物も待たせているわけですし。
というわけで、おつきあいくださいましてありがとうございました。
また次の物語でお目にかかりましょう。
清瀬 六朗
ハロウィンパーティー 清瀬 六朗 @r_kiyose
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