事実は闇の中なれど

実体験エピソードをもとに、と書かれているとおり文章と人物に生々しいふちどりが感じられます。
あるいは結婚前に連絡をとるべき友人、どこか虫の知らせのように連絡する手を止める経験は自分にもあります。このような心境がSNSやスマホ普及の世代にはどう映るのか気になります。
闘病というマイノリティの生きづらさを背景に、青春時代の穿った小編としても素晴らしいのですが、過去の友人の連絡先を消すという行為。
ふだん目をつぶってしまう行為だけにすんなり文章化している部分は評価される意欲作だと感じます。

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