その他の人物について
◆ブリジット
日本にいた時の名字は「橋本」、橋=ブリッジ、から名前はきています。本人が考えた仮名で、「オズワルド」は彼が好きだったテレビゲームの主人公の名前です。
このあたりもテレビゲームの主人公の名前から仮名を「カミル」と付けたスガワラと思考がよく似ています。
本編にはいわゆる悪役らしい悪役が不在だったので、登場させたのが彼です。
身長は170半ば、年齢は25、髪は銀髪ですが、染めています。体型は細身。
転移前の描写はほぼありませんが、スガワラと同じように日本社会で普通に働いていました。大きな企業のいわゆる下請けで働き詰めの末、自殺を図った結果、異世界へと転移しています。
主人公スガワラよりは早い時期に異世界に来ています。スガワラが正義感や倫理観を重んじるのに対して、彼の場合、異世界の住人を「ゲームの登場人物」くらいしにか捉えていません。
また、一度死のうとした経験から異世界での生活を「ボーナスタイム」くらいの感覚で生きています。ゆえに人を騙したり利用することに躊躇いがありません。
ですが、それでも彼も人間なので、同じ境遇のスガワラと仲間になりたいと思っていたのは本心のようです。ただ、彼とスガワラでは異世界の住人に対しての考え方が決定的に違っていたために相容れない存在となっていまいました。
本編の最後では、2度目の自殺を試みたわけですが果たして絶命してしまったのか、存命しているのか……、ここは読者の想像に任せたいと思います。
◆トゥルー
身長170後半、年齢は28、赤めの茶髪で体型はがっしりとしています。
日本にいた時の名前は「徹(とおる)」=トゥルー、異世界の人たちが名前を聞き違えて、そのまま名前になってしまった感じです。詳細は本編で描いておりませんが、中学校時代に自殺を試みた結果、異世界転移した人物です。
彼が最初に登場した話では、主人公スガワラと面識ないまま、ただすれ違う描写だけを書きました。ここから物語のキーマンになると察した人も多いのではないでしょうか。
転移してからは孤児院で生活をし、ラナンキュラスの両親が経営する酒場のお手伝いをしています。ここでラナンキュラスやカレンと知り合い、彼女たちの兄貴分的な役割で関係を築いています。
相応の歳になるとカレンは彼に想いを寄せていたようですが、一方の彼はラナンキュラスに心を惹かれているようでした。ただ、残念ながら当のラナンキュラスは、お兄ちゃん的存在以上には彼を捉えていないようです。
彼の口から語られる過去の事件の「真実」は、蓋を開けてみれば大した内容ではなかった、という感じです。
これは筆者の考え方の1つとして「物事は、その事実に関係なく、観察者が勝手にむずかしく複雑にしていることがある」と思っているからです。
ゆえに、なにか陰謀めいたものがありそうな話にしながら、最後のオチはとても「くだらない」かたちをとりました。
登場させた時、すでに筆者が物語の締めくくりを意識し始めていたために、終盤で出番も少なくなってしまいました。もう少し早い段階で登場させて、スガワラと人間関係を構築し、場合によっては恋のライバルくらいの役割を与えてもよかったかと思ったりもしてます。
◆ブルード
身長180、年齢は30代半ば、黒髪の短髪で、浅黒い肌でいわゆるゴリマッチョ系の体型です。
魅せる筋肉にすべてをかけた人です。最初に登場した時の筋肉描写を、筆者は気に入っています。登場人物の中では年長者がゆえに、時々心に刺さる台詞を飛ばします。見た目ほどの戦闘能力はありませんが、一般人と比較すると相当強い部類の人です。
彼の存在が勝手にボディガードとなっており、男性にモテるラナンキュラスがちょっかいを出されずにすんでいます。
ラナンキュラスの両親が酒場を経営をしていた頃から料理人をしており、ラナンキュラスやカレンのことを幼い頃から知っています。
年齢的には相当上ですが、オーナーの息女ということもあってラナンキュラスに対しては「ラナさん」と呼び、カレンに対しては「カレン」と呼び捨てにしています。
既婚者で奥さんが超美人の設定です。どこかで登場させようと思ったのですが、チャンスがありませんでした……。
◆アレンビー・ラドクリフ
身長160後半、年齢はパララと同じで18~20、深紅のロングヘアーを右側にまとめています。体型は細身。
最初は、思いっきり嫌なやつ、のつもりで登場させました。ところが、河原で殴り合い喧嘩をしたら友情が芽生えた、みたいな展開で、パララの友達であり、よきライバルとなります。
ラナンキュラスとの出会いで若干のキャラ崩壊を見せますが、基本的にはクールビューティー系の女子です。
生まれもっての魔法の才能が非常に高く、本人も非常にストイックな性格で努力を惜しまず成長してきた人物です。
それゆえに、才能のみで自分を凌駕する(実際は違うのですが……)パララに対して強い敵対心を抱いていました。
構想段階では、「魔法闘技」自体がなかったため、彼女もまた急遽生み出された登場人物になります。
第5話「悪意の火種」にて、ブレイブ・ピラーの人たちがパララについての情報を集める際に話している魔法ギルドの人物を具体的にキャラクターとして構築しました。
※細かい人物紹介は省略します。
最後まで本作にお付き合いいただいた方々、本当にありがとうございました!
正統続編、というわけではありませんが、「白と黒の聖女」もよければ同じように楽しんでもらえると非常に嬉しく思います。
――と、同時に楽しんでいただけるよう執筆を続けていこうと思います。
幸福の花は静かに笑う 武尾さぬき @chloe-valence
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