ブレイヴ・ピラー所属の人について

◆シャネイラ・ヘニクス


 名前の「ヘニクス」はフェニックス(不死鳥)からきています。作中、戦闘能力において最強に位置する人物です。また、本編においてもっとも「謎」を残していった人物ともいえます。


 身長は160半ば、年齢不詳(かなり高齢)、翡翠のような緑の髪色に白い肌の美人な女性です。その姿は浮世離れしており、歳をとらない(?)という設定も相まって人間であるかすら不明です。

 一応、作中終盤で自ら「一応、人間」とは語っています(笑)。


 物語の進行上、戦闘にあまり偏重しない話にしたい、という意志があったのですが、構想段階ではいわゆる「ラスボス」的な立ち位置にいる人物でした。

 物語に登場するという意味での「露出」をなるべく抑え、とにかく得体の知れない人物として描こうと思いました。


 元々、王国騎士団に所属して功績を上げていた人物です。彼女らの住む王国の権力者の若い時代を知っている人物でもあることから、ある意味で「王国の恥部」を知ってしまっています。

 権力者側からすると非常に邪魔な存在なのですが、その力ゆえに手を出すこともできない「厄介者」でもあります。


 シャネイラは何者で、なにを思って巨大な剣士ギルドを築き上げ、ラナンキュラスの力を欲するのか……、彼女の残した多くの謎については、いずれ語れるときがきたらいいな、と思っています。




◆グロイツェル・ロウ


 通称「賢狼けんろう」。身長は190近く、年齢は30代半ば、灰色の短い髪形でがっしりとした体型をしています。服装は物語通してずっと組織の制服を着用しています。


 ブレイヴ・ピラーの1番隊隊長で、いわゆる「ブレイン」です。作中細かい説明は出てきませんでしたが、この組織は、番号ごとに専門の役割が決まっています。


 隠密部隊の3番隊、救護専門の9番隊が登場しましたが、カレン率いる2番隊はいわゆる斬り込み隊、そしてグロイツェル率いる1番隊は、他のどの隊の人員が欠落しても補えるような万能集団となっています。


 組織内ではシャネイラに次いでの実権を握っていますが、カレンとは意見が合わず、対立を繰り返しています。

 傍から見るとそれは険悪であり、組織内に「賢狼派」、「金獅子派」ができてしまうような始末になっている設定でした。


 一方で、当の本人たちは単なる意見の対立であって、人間的にはむしろ尊敬し合っている、という周囲と本人たちの見え方に違いがあります。ただ、全体的に登場回数が少なく、その辺りはあまり活かしきれませんでした。


 作中戦闘シーンはありませんが、一刀流の剣術で「達人」と言われ、恐れられていることだけが語られています。カレンは自分を、彼より強い、と思っているようですが、実際のところは甲乙付けられない感じです。


 戦闘集団に属しながら、組織拡大のための交渉や懐柔の術に優れており、実質ブレイヴ・ピラーの運営を担っているのは彼とも言えます。




◆サージェ


 身長は170くらい、年齢は20、青色の短い髪形で細身です。登場人物の中に、若くてカッコいい男がいない! となって登場させた人物です。ゆえに若手アイドルのようないわゆる「甘いマスク」をしています。

 序盤は印象が薄い人物でしたが、第7話「ケの日」にて、若干のキャラ崩壊をして、第11話「漆黒の意思」にて存在感を発揮する人物となりました。


 序盤のスガワラに対する態度は、シンプルにカレンと気さくに話をする彼への嫉妬です。カレンへの想いは、恋愛感情というより、純粋な尊敬や憧れが強いです。


 カレンが隊長を務める2番隊が「斬り込み隊」がゆえに、剣術に優れた者がのし上がりやすい隊でもあります。歳は非常に若いですが、実質、隊の2番手を務める人物で、剣術に関しては非常に優れています。


 ただ、若さゆえに、感情が声や態度に出やすいところや、カレンへの尊敬の意識が度を越しており、他を蔑ろにする傾向もあります。


 初期の構想段階では、「名もなき剣士A」みたいな位置付けでしたので、第11話「漆黒の意思」を筆頭に、思った以上に活躍してくれた人物と思っています。




◆リンカ・ティンバーレイク


 王道RPGの世界に僧侶がいない! ということで登場させた人物です。フルネームは設定上のみで作中では一度も出ていません。位置付けとして「僧侶」というより回復専門魔法使い、「白魔法使い」といった感じです。「僧侶」という言葉からなる宗教的な雰囲気を除きたいと考え、上記のような設定となりました。


 身長160くらい、年齢は20代の後半、長い金髪をバンダナでまとめています。グラマラスな体型で胸が非常に大きいです(笑)。垂れ目であり、周りから常に「眠そう」、「気怠そう」と思われる顔だちをしています。実際に、仕事に関してはそれほど真面目ではないようです。


 1人くらい強烈な「変人」を出したい、と思い、登場回数こそ少ないもののそれなりにインパクトある人物になったのではないかと思います。

 他人の血を飲む、という奇行もありますが、普通の人間で、吸血鬼ではありません。


 物語終盤で明かされますが、一応、ブレイブ・ピラーの救護専門9番隊の隊長です。しかし、本人にあまり自覚はありません。ただ、時折鋭い発言をすることもあり、有能な人物ではあるようです。



 彼女の登場によって、異世界における「回復魔法」の位置付けを説明することができました。本作での回復魔法は、あくまで自然治癒のブースター的な役割であり、放っておいたら治る傷を短時間で治す程度の力しかありません。

 回復魔法の程度によっては、その世界での「怪我」や「死」の重みが揺らいでしまうので、慎重に考えて設定しました。




◆ランギス


 身長は170半ば、年齢は40代、茶髪の短髪で小太りの人の好さそうな「おじさん」です。


 登場回数こそ限られていますが、筆者は非常に気に入っている人物です。極端に秀でた才能をもっていませんが、ある種のなんでも屋さんです。

 組織内での「緩衝材」と「潤滑油」の役割を担っている人物で、縁の下の力持ち、ともいえるでしょう。


 現実社会でも彼のような人物は、若い人には評価されにくく、ある程度年齢のいった人物や経験豊富な人ほど重宝する傾向があると思います。

 ゆえに、第11話「漆黒の意思」にて、若いサージェは彼をあまり歓迎しませんが、グロイツェルは彼に信頼をおいている、というシーンが見られます。


 同じく「漆黒の意思」にて、「――身の危険を感じたときは、なりふり構わず逃げて下さい。これは約束です」、と言うように、基本は緩いのですが、締めるところは締める、人物でもあります。

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