「幸せ」は、ちょっと手を伸ばせばあるもの。でもそれってしあわせ?

幸せになれない人と幸せになる人。
世界電球はこの二つのどちらかに人々を当てはめる。

最初から幸せになれた人はそのまま、幸せな人生を送ればいいでしょう。

しかし幸せになれなかった人は、どうしても幸せな人との間に溝を感じずにはいられない。

幸せなことが「普通」だから。

でも世界電球が幸せにしてくれなくたって、それが「普通の幸せ」じゃなくても、自分たちでしあわせになることができる。そもそもしあわせに普通も異質もないんだから。

自分たちは不幸だと言うポラリスとシャノも、気づいていないだけで二人で過ごす時間をしあわせに感じていたんじゃないか。

世界電球に頼らずにしあわせになれていたんじゃないだろうか。

読み終わって、そんな強い思いを抱きました。

すっと心のなかに入ってきて、芯のあたりに深く届く。

とても美しい物語をありがとうございました。

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