痛みを抱えながらも無邪気に笑う少女と、彼女を妹のように守る少年の物語

中央アジアを思わせる異国情緒あふれる舞台が魅力的です。
ファンタジーというと大体、中世ヨーロッパ風か中華風、和風のどれかなのですが、そのどれにも属さない遊牧の民が砂漠に築いた都という設定に惹かれます。

ヒロインであるタリヤは重くてつらい過去を背負っていますが、普段はそれを感じさせない明るい振る舞いが愛らしい少女。
彼女を幼いころから兄のように支え続けてきたカザクは、反骨精神にあふれる少年。
二人はたぐいまれな力を持つ魔導師。
兄妹以上恋人未満といった感じの二人の関係がどう変わっていくのか、優しく見守りたい気持ちになります。

そしてもう一つ、ストーリー的に大事な要素が、都の水脈が枯れかけているということ。
新たに水源を探すのか? 権力者たちは水源を引き寄せる魔法を使えるタリヤの自由を奪って都を維持するつもりなのか? タリヤとカザクの仲は引き裂かれてしまうのか?

都の存亡をかけて今、物語が動き出す。その結末をぜひ見届けて下さい!

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