嘘だ、きっと嘘なんだ

陰鬱とした世界観と、微かな希望。
いつも仲良しなコンビを、こう料理するとは!
また、予想外の結末には度肝を抜かれました!
まさに、メタフィクションの醍醐味ですね。

そうした内容もさることながら、特筆すべきは作者様の筆力。
地の文には作家の個性が出ますが、この作品はその中でも個性的でした。
情緒のある文、というのですかね。事象を多面的に観察した言い回しは、創作する側としても勉強になりました。

そんな意外性のある物語と、安心して内容に没頭できる筆力。
この作品は、その両方を兼ね備えています。
SFの素晴らしさを体現したようなこの作品に、是非とも触れてみてください。