女子マラソン

男の時は身体能力が高かった。どの種目でもいつも好成績だった。しかし今はレアハ王女の身体だ。スタートと同時に走るも違和感がある。そうだおっぱいだ。おっぱいがぽよんぽよん揺れている。走るたびに揺れている。


(うわぁ…邪魔だなぁ…)


走るたび考えていたとき、気づいた。この身体、体力がない。王女はあまり運動していなかったのかもしれない。息を切らして苦痛を耐え忍び走る。


『レアハ王女お先に失礼します。』

『ごめんあそばせ。』


声をかけられながらどんどん追い抜かれていく。

男の時のペース配分で走っても上手くいかず、結果は最下位だった。重たい胸を下にして、膝をつき、項垂うなだれる。


『僕が最下位なんて…』


男と女ではこうも身体に性差があるのか。辛くて涙が出てきた。だんだん呼吸が荒くなりバタンと気絶。地面に倒れ込む。気がつくと見知らぬ広い天井。どうやら保健室のベッドにいるようだ。隣にはライナが座って看病してくれていた。


『レアハあの後倒れたんだよ。身体なんともない?』

『…ええ。平気よ、ありがとう。』


女言葉で告げるとライナは優しく僕を包容してくれた。女の子同士の良い香りがする。その時僕は感じてしまったのだ。


『あ…。』

『どうしたの?』

『お手洗い行きたい。』


そう。尿意を。

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