お手洗い

何も無い股間に手を当てて、もじもじして赤面する僕。


『トイレ行けばいいのに。』

『でも…』

『もらすよ?』

『うっ…!』


レアハ王女の身体でお漏らししたらどうなるのだろうか。僕の尊厳は木っ端微塵に破壊され、一国の王女が痴女と噂されるだろう。考えただけでもゾッとする。一生おもらし王女なんて呼ばれるのはごめんだ。僕は覚悟決めてベッドを出る。


『お手洗い行きます。』


そう言い残して保健室を後にした。廊下を歩き、女子トイレの前に立つ。いざ戦場へ。中に入ると壁は一面ピンクでいかにも女の子な感じだ。お花も飾ってある。トイレは全て個室だ。


『立ちションできないよな…。』


1番奥の個室トイレに入ると便座と生理用品を入れるためのゴミ箱があった。頭は真っ白だが、尿意はすぐそこだ。トイレのやり方がわからない。スカートは上げるのか?下げるのか?兎にも角にもスカートを下ろし、パンティーに恐る恐る手を伸ばし掴んで下げた。そして便座に腰かける。まるで生まれた頃のような赤ん坊の右も左もわからない状態だ。21年間男として生きてきたが、女子の身体で用を足すのは初体験だ。自分の行動とは裏腹におしっこは勢いよく噴射した。お腹を押さえながら最後の一滴まで出して、トイレットペーパーでよく拭いた後、パンティーとスカートを履き、手を洗った。鏡を見るとゲッソリと疲れた表情のレアハ王女が映っていた。


『男の大切なものも全て奪われたんだ…』

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王女と入れ替わったらお兄様が好きすぎて求婚しちゃいました 中須ゆうtive @ImaYuuMiniSkirt

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