第9話

迷宮の攻略に成功した次の日の昼休み、俺はいつもの様に稲葉准とバカ話をしている。

でも、いままでの俺と今日の俺は全く違う。


まだ顔も知らないけど俺にも彼女が出来たんだ。


稲葉にも俺の様子が違うのでなんとなく分かった様だ。

「三条さん彼女出来たんでしょう? 昨日までとなんか全然違いますよ。」


「ハハハ、もしかしたらNPCかもしれないがな・・・」


「そんな事ないでしょう? 今度写真見せてください。」

まもなく稲葉は仕事に呼ばれ行ってしまった。


「パシリ屋、会いに来てあげたよ! 」

突然、後ろから声をかけられ俺は驚いた。

俺の後ろには宇月美穂が立っている。


「何言ってるんだ、宇月さん? 」

俺はからかわれていると思って怪訝な顔をする。


「え〜 ずっと一緒に居たいって言ったよね? 」


「俺そんな事ミーシャンにしか言ってない! 」


「だから私がそのミーシャンなの! 今日から私がアナタの彼女だよ。」

宇月さんは小悪魔のほほえみを浮かべ、ビックリしている俺の事を見つめた。


宇月さんの笑顔を見ていてようやく俺は落ち着いてきた。

「ありがとう宇月さん、これからはずっと一緒に居ようね。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

迷宮婚活ゲーム アオヤ @aoyashou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ