児童文学風とタグが付けられている通り、図書館で心惹かれる一冊を手に取り、文字を追っていくごとにその世界に惹き込まれていく。そんな童心を思い出すような、温かく優しく、ときめく物語です。
物語の中心となるパステルとテオの交流がとにかくピュア。二人とも純粋過ぎて不器用なところもあってもどかしく思ったりもするのですが、それがとても可愛い。大人の薄汚れた語彙では表現できない眩しさを浴びられます。
二人の周囲の人々(精霊、妖精)もまた良い子!良い人!特に妖精さんはかなり愛らしい!
失われた色と記憶と感情、二人が取り戻していくにつれて明かされていく秘密は、なにやら不穏そうな気配。
でもきっと大丈夫、二人が一緒なら。そんな気持ちで見守っていきたい作品です!
可愛さに癒されたい、幻想的な御伽噺にどきどきわくわくしたい、純愛にきゅんきゅんしたい、優しいものに触れて温かい気持ちになりたい。全部揃っています。
ぐああああっ!薄汚れた魂が浄化される!!!
読みながら断末魔を上げずにいられない、圧倒的透明感…!!!
主役二人がねえ、まずピュア度100%なんですよ!!
口数が多いわけではないけれど、互いのことをものすごく大事に思っていて、ゆっくりゆっくり距離を縮めていき信頼を深めていく様子が、なんかもう清らかすぎて眩しすぎます。
二人とも、人を疑ったり悪く思ったりすることを知らない光の化身なので、そんな彼らが旅をするとなって「えっ大丈夫!?」と心配しましたが、作中人物も同じ懸念を抱いたのか、オーバースペック級の保護者がついてくれて安心しました!
そして旅路の途中で出会う人々も、癖があっても悪人でない魅力的な人たちばかりで、この世界は端から端まで夢と魔法に満ち溢れてキラキラと輝いているんだなと、なぜか目頭が熱くなりました。
そう、眩しいんです。
丁寧なのに軽やかで読みやすい文体、ワクワクとさせてくれるファンタジーの描写、自分の運命に抗いながらも生き生きと成長していく主役たち。
読んでいると、子どもの時にあこがれた夢と魔法の世界って、まさしくこんな物語だったなと思い出すことができます。
浄化率100%。
これはもはや、読むデトックス。
心がささくれてきた人にこそぜひ触れてほしい、どこまでも優しく温かい、まっすぐな物語です。