木田りも

茎。

小説。 茎。


・冒頭


産まれてきた。産まれたんだよな。

待っていた。この光、この道。


・過程。


何もなくなった世界に生まれてしまった僕は、今日もただ呼吸だけをして生きている。「生きている」ということは、「死んでいない」のだ。まだ終わったわけじゃない。そんな言葉を信じて、ありもしない希望や、0%ではない幸せを探し続けているのだ。

選ばれれば、万々歳。万々歳、万々歳、棒棒鶏。バンジージャンプ。残念ながら紐がない。お気の毒ですが、私の人生はここで終わってしまいました!


・ハイロー。


酒を飲んでる時だけ忘れられる。

焼き肉に来た。目の前で焼いてる友達の顔を酔った頭が私の頬を上げて、とても幸せな気持ちで笑っている。心の底から笑っているのに、笑顔を貼りつけているように感じる。

酒を飲む時に限って嫌なことが思い出される。ハイな時ほどローな気分になっている。


・ユメ。


掴み取りたい。

ぼやける世界に対して、上にも下にもいけない僕。どんなことも出来ないわけではないという感じ。でもぼやける世界にはある分野に得意な人がいて、ぼやける世界で僕は器用貧乏というには足りない。そもそも別に器用ではないし、かといって不器用って言われるとムカつく。実は褒められたりしてるけど耳には入らない。辞めてしまった後の後聞きで知る。全てぼやけているからよくわからない。


・ジコブンセキ。


意味がない。

人から好かれることは多い。

そう思っているだけかもしれない。

人から好かれる自分を演じてるだけかもしれない。

都合の良い人間かもしれない。

遠慮をしたり、自分を殺したり。

世の中に好かれるのって案外自分を殺すことだったりする。

人から好かれようとしない自分を出している人は多くの人に嫌われるが、それが本当の意味での勝利なのかもしれない。試合に負けて勝負に勝つ。人生は過程よりも結果だ。



・ドリームパック。


返事の来ない手紙を書き続ける。

それはもはや自分を守るルーティンのようなものである。ただのオナニー。私はナニー。

タバコの煙と、ネパール人の体臭。君への嫉妬。どうにもならないこと。バーに行って紹興酒を頂いた。自分が生まれる前から存在していたお酒。そんなお酒におれの二日酔いは、いともたやすく飲み込まれる。あー今日もしあわせだ。



・事故事後事後事故。


事後に見る目覚ましテレビ。

おはよう日本。

このままじゃ終わるわけない。

ジパングに生まれたんだよな。俺たち。

輝こうぜもっと。


・世の中の多くの人が日頃考えているであろう100のことの抜粋。


自分より下、格下という存在が存在することで自分の競争心を殺す。

50歩100歩。私はどんぐりだろうか。

それでも私はあなたになりたかった。

人から認められ、褒められ、いるだけで良いって言われる。そんなふうになりたかった。

逆だったら、こんなことにはならなかった。

自分のペースで自由に生きてる。自分のペースで気ままに生きてる。そんな良いことはないよ。アイラブユーだ。


・カッコつけてる部分。


絶望が待っている。さあ、行こう。希望を捨てた時、初めて希望は現れる。夢を見なくなったとき、初めて、夢が追いかけてくる。

考えて、考えて、考えて、試して、また考えて、悩んで、考えて、また悩んでる。絶望を希望に変えるためのこの上ない努力。夢を現実にするためのどうしようもない悪あがき。



・救いだよ。


ふと思う。あ、そういえば俺、いつか死ぬんだよな、と。

時間が戻ることは絶対にないから、いつか訪れる死というものへ向かう絶望。いや、救いなのかな。


・追い込まれたり、無名なやつは強いよ。何故か?失うものも何もない。今この瞬間に命かけてるから。お前はどうだ。


使い古された言葉が生き生きしている。そして意気揚々と、また使われる。日本の未来は(合いの手)世界がうらやむ(合いの手)……カラオケに行けばそれらは息を吹き返す。待ってましたと言わんばかりに踊り、叫び狂う。そういう奴を俺はもっと見たい。


・とある日のニュース映像。


彼らを死刑にすることだけを考えて生きてきた。それが母親というものである。

悔いという茎を生やした。その茎は抜かれることなく、杭のようにしっかりと。

悔いはない。杭はある。

絶望のどん底まで落ちて

落ちて落ちて落ちきって。

そんな時に触れた優しさとかによって

僕は、、久しぶりに僕として笑った。


・戯言。


支離滅裂な文章なのは自分が1番わかっている。花を咲かせるにはまだ時間が必要だ。

1%からの生還

99%からの終わり。

もう少しで終わる。

長い旅も何もかも。

やがて花開く時、私は、生還するのか終わるのか。それは悔いが知っている。


・賑わしている。


世間はお母さんではない。

故に自分が強くならなければならない。

かっこいい言葉を言った人の失言。堕ちてしまった信頼。取り戻せない人々。

クソみたいな世界。1つのミスが命取り。

多くの人の負のエネルギーが溜まっている。

そして、その多くの人たちが見ている。

真の世界を。このクソみたいな紛れもない現実を。その目で見ている。



・茎。


だから、お前は強く。

強く、伸び続けろ。







おわり。





あとがき。

家が散らかってきたので思い切って断捨離をした。身体を軽くしたいなって思ったのと、自分のキャパと物のキャパのギャップを減らしたかった。まだ捨てられないものが多い。

断捨離をすることで本当に大切なものは何か。断捨離をしても残しておきたいと思ったものは何なのか。それを把握することも出来た。何より心の整理もできてとても楽しかった。たぶん前の量の6〜7割にはなったんじゃないかと思う。


その中で、高校の頃の現代文の担任の先生のお便りを久々に見た。昔には気づけなかった心を打つ文章がゴロゴロ転がっていて、宝の持ち腐れだなぁと思った。この「あとがき」も先生の書き方を真似しながら書いている。憧れを憧れのまま終わらせず、夢を夢のまま終わらせない努力をしていきたいと思う。


読んでくれた皆様、ありがとうございました。

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木田りも @kidarimo777

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