第15話のじゃとドSボケと骨は森を出る
「のじゃのじゃの~じゃ♪」
俺の少し前を白い服を着たのじゃ歌を操る白髪巨乳美少女の義輝ちゃんが歩いている。
大きいお尻をフリフリ、後ろでもわかる巨乳をバルンバルンと弾ませて機嫌がよさそうだ。
『精神が金剛石ではなくヒヒイロカネで出来ているんでしょうか』
「解脱して初心に戻って来たとか?悟りの上に欲望わんさかという感じ」
ホネ子ちゃん二人で子供を見守る感覚で義輝ちゃんを見守る。関係は大人だけどな。
あれから十日が経っている。
義輝ちゃんお相手してもらった後、おんぶして出発した。めざすは南、コンパスのデータをホネ子ちゃんに取り込んでもらいナビをしてもらっている。ホネ子ちゃんがお菓子や海外ドラマを見ているのを見て出来るかなと思ったら簡単に出来た。ホネ子ちゃんは超優秀です。
ついでに時計も取り込んでもらおうと思っていてたらすでにやっていた。ホネ子ちゃんの部屋にあるんだな?サーモグラフィーも物品交換にあったので取り込み。現物は100万村P超高い、十倍じゃなくても10万で現代日本の中でも技術が高いものほど村Pの消費が激しいのがわかった。
まあ俺には義輝ちゃんという無限村Pがいるので余裕だけど交換は出来なかった。性根が貧乏性なのかもしれない。
なので俺は何も持たずにゲームの様に周囲がわかるのである。これのおかげで猿軍団、狼軍団などを大半は回避できた。見つけたら隠れて安全領域といった感じでゆっくり森の旅状態だ。
ホネ子ちゃんがいなかったら途中で死んでいた可能性大だった。俺達は常に死が隣居るみたいである。
義輝ちゃん?ええ大変仲良くしております。獣軍団を避けると長時間その場にいることになるし、夜はお泊りです。男女が二人でいたら当然でしょう。
毎回、拒否して積極的になり失神してキャットファイトになる義輝ちゃんですが。最近は通常状態でも普通に横にいたり抱きついてきたりと無意識のスキンシップが多くなってきた。ふふふこれも調教のおかげかな・
『表情で丸わかりですが、義輝は美味いものくれる良い奴とご主人様を認識していますよ。いまだに男女の関係は苦虫を潰した顔をします』
「え~あれだけ頑張ってるのに?」
『ご主人様殆ど寝てませんよね。いつも体力回復を施してますし、回復でも疲労は溜まっていきますからね。そのうち寝不足で死にますよ』
「それなんだが俺睡眠欲も無効化されてない?されてないのは確認しているけどさ」
『・・・されてませんね。もしかして性欲で睡眠欲を解消しているんじゃないですか?』
「ははははまさかそんな」
『ははははそうですよね』
「調べてっ」
『はいっ・・・そんな形跡はありませんでした』
「ということは俺の体質か・・・」
『毎晩、足止めの度にしていて体質とは思えないのですが』
「そこは拠点が出来てから決めようか・・・あ、義輝ちゃんッ!」
「ん、何じゃサク」
俺が呼び止めたせいでその場に立ち止まりこちらを振り向く義輝ちゃん、に木の枝から落ちて来て義輝ちゃんの首筋に牙を立てる蛇。
「あ?あああああぁぁぁっ」
義輝ちゃんはキョトンとした後、震え絶叫し倒れた。
その拍子に蛇は俺の方に跳んできて
バシンッ
俺が持っていたトレッキングポールに横から叩かれて木にぶつかって落ちた。
腰に常備している改造火炎放射器を蛇に向けて放射。数秒で動かなくなった。一応トレッキングポールでつついて死んでいるの確認する。生きていたら襲ってくる可能性があるからな。
よし完全に死んでいるな。
『ご主人様、義輝が』
「ああ、アホな子だよな」
倒れた義輝ちゃんに近づく。毒が回ったせいだろう凄く苦しんだ顔で死んでいた。それでも義輝ちゃんは美しい。左足の裏は右膝に付け左腕はお腹の上に、右手は頭上に伸びて手首から先が直角に曲がっていた。
「美しいシェーだ」
『ご主人様の記憶が干渉したんでしょうか?』
「俺の時代じゃないんだがな」
死んでもボケる義輝ちゃんは天才だ。
やはり養殖では・・・いやっ!努力で磨けば天然にも勝てるっ!
『もの凄くくだらない決意がなされたのを感じました』
・・・さて、なぜ俺とホネ子ちゃんが義輝ちゃんの死を冷静に評価しているかというと。
「今回は78点で」
『おやもう少し高いと思いましたが、私は87点で。復活っ!』
ホネ子ちゃんの言葉と同時に義輝ちゃんの死体が光に成って空中に消えていく。一応天に召されるから拝んでおこう。
そして拝んでいる俺の前に光が集まり義輝ちゃんが構成されていく。足先から徐々に現れくるぶし脛、着物に包まれた太ももといって大きめのお尻くびれた腰、そして巨乳。
「ここで止められない?」
『自動ですから無理です』
残念、真っすぐ横にピンと伸びた両腕出来て、細い首、整った顔が現れて長い白髪がフワッと広がり落ちていく、ホネ子ちゃんが付けたアホ毛も健在だ。
「にゅわわわわ~ただいまなのじゃ~」
「おかえり~」
『はいおかえりなさい』
浮いていた足をトンと地面に着けて復活の挨拶をする義輝ちゃん。
通算24回目の復活であった。
義輝ちゃんは俺の永久村人なので村Pがある限りは義輝ちゃん(白髪巨乳美少女限定)として復活できる。できるのだが俺達は義輝ちゃんを舐めていた。
初日、恥ずかしいのかおんぶを途中で降りようとして足首を捻り転倒して頭部を木の根で殴打して死亡。あれだ魚が釣り上げられてビチビチ跳ねる感じ。
初めての猟奇的な光景にパニックになる俺とホネ子ちゃん、ゆっくりと動きが小さくなり頭部からジワリと血が広がる義輝ちゃん。
それが最初の死亡と復活だった。
次はウサギに頸動脈を噛み千切られ死亡、大量のヒルが落ちてきて凄い状態で死亡、蛇なんて三回目だから驚きもしない。
これでもかと義輝ちゃんに襲い掛かる死に確シリーズに俺とホネ子ちゃんはドン引き。そして人間として復活できて美味いものがまだ食えると喜ぶ義輝ちゃんに更にドン引きした。
わかったことはドジっ子で死ぬ以外の外的要因獣たちは俺より先に義輝ちゃんを狙い、その後に俺を襲うことがわかる。
なので俺より少し先を歩いてもらい全ての被害を受けてもらった。猿軍団が一斉に義輝ちゃんを襲った時は怖かった・・・思わず改造火炎放射器で義輝ちゃんごと火だるまにしたのはいい思い出だ。せめて死んでから火を付けろと義輝ちゃん怒られたよ。
十日で二十四回死ぬ女義輝ちゃん、日に二度は死んでいることになる。ちゃんと警戒して大半の獣を避けた上でのこの死亡回数、雨乞い2.14の異世界が酷いのか義輝ちゃんの死に魅入られているのが凄いのかまだわからない。ただ義輝ちゃんもいなかったら俺は死んでいた。
俺、ホネ子ちゃん、義輝ちゃんがいてこの世界で生きていけるようである。まさに三位一体っ!
「ブルルッ!な、なにか変なもの感じたのじゃっ」
『奇遇ですね、私も背筋に寒気がきました』
おかしい俺は悪霊なのか?
「サク、サク、余はいい仕事をしたじゃろっ?ならはよはよっ」
復活して早々に義輝ちゃんが顔を上気して俺に寄ってくる。ほら、調教のかいが
『はい義輝、コンビニちょっとお高い珍味ですよ』
「ひゃっはぁーいっ!ホネ子ありがとうなのじゃっ」
義輝ちゃんは貝紐バター醬油味の袋を掲げて大喜びする。俺はテントを物品交換しようとしていた状態で立ち止まっていた。
『さすがに義輝がアホの子でも毎回同じパターンで連れ込むのはダメです。あれでもガワは女の子なんです。責任は取らなくてもいいですがご主人様はもう少し女の子のあつかいを・・・』
このあと安全領域を張っての説教タイムに入った。責任は取らなくていいという部分に久しぶりのホネ子ちゃんの毒がついたな。
正座で説教を受ける俺の背中を背もたれにして義輝ちゃんは貝紐をクチャクチャ食べている。これはそのままテントでもいいんじゃね?
それから二日後。
「森を抜けたのじゃっ」
「おおっ、100m以上が見えるぞ」
『ご主人様が頑張らなければもっと早く森を出れたんですけどね』
俺達の目の前がとうとう開けた。
太ももぐらいの高さの草は生えているが木が一本もない平野だ。義輝ちゃんが走り回って喜んでいる。
「これでドキドキサファリ森は切り抜けられたか」
『巨大化動物達や集団化したのは森からは滅多に出てこないと情報がありますから一息付けますね』
ホネ子ちゃんと二人でホッとする。
常時警戒しているのに義輝ちゃんが惨殺されるような森はもうこりごりだ。
「ん?平野は平野で人がおるからなかなかのものじゃぞ。ヒャッハーの連中は種類も多いしの。死亡率は森の方が多いが、残酷さでは人の世のほうがはるかに上じゃ」
俺達の声が聞こえたのか義輝ちゃんがこの世界の過酷さを教えてくれた。
「次は世紀末ヒャッハー編かな・・・」
『大丈夫ですご主人様っ。二人と一匹なら乗り越えて行けます』
「それは義輝ちゃんが一匹になってるよね?」
「サクゥーサクゥー、お腹が減ったのじゃ美味いものが食いたいのじゃ」
まあ何とかなるだろう。俺には優秀なホネ子ちゃんに、無限復活無限村Pの義輝ちゃんがいるのだ。
邪魔する奴らは血と鮮血が飛び散るほのぼの村育成ゲーム通りに血祭りにして焼却してやろう。
目指せ平穏な人生っ!そして義輝ちゃんとの爛れた生活っ!
「ブルブルなにか寒いのじゃぁ~」
ーーーーーーー
これでプロローグは終わりです。
五万文字を越えるプロローグ・・・(;´д`)
よく人気もないのに書けたな~。
これからようやくサクとホネ子ちゃんと義輝ちゃんの物語は始まります。
はたして義輝ちゃんは男としての自分を維持できるのか。たぶん義輝ちゃんは男女ではなく性別義輝ちゃんになっています。
輪廻転生アホの子義輝ちゃん @daikin1192
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