懸命に生き抜いた主人公に、心から感謝を。
- ★★★ Excellent!!!
時代背景は、おそらく今より昔、それも「古き良き」ではなく「貧しく厳しい」頃でしょうか。主人公は、そんな過酷な世の中を生き抜いた一人の男性。幼少より不幸ばかりが続き、それでも家族の為に必死に頑張り、やがて自らも新たな家族を持ち、そして……。そんな物語です。
こちらの作者様、特に「人間」というものを描くことがとてもお上手です。すべての人物が作品の中でまさしく「生きて」います。なんでもない男がただひたむきに泥臭く生き抜いただけ、しかし、だからこそ主人公の遺した「生き様」に感動を覚えるのでしょう。厳しい人生ながら、どこか格好良さと美しさと、羨ましさすらも感じるのです。
彼は何か偉業を成し遂げたわけではありません。私に何か利益を与えてくれたわけでもありません。しかし、私は彼に心から拍手と感謝の言葉を送りたい。「ありがとうございます」と。そして「彼」に出会わせてくれた作者様にも感謝を!
是非多くの皆様に読んで頂きたい、とても素晴らしい作品です!