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概要
あの日の出会いは今でも胸の中に
母が亡くなり、体調不良になった父と共に田舎に引っ越してきた日向。通学途中、ふと見渡した車内には不思議と視線が吸い寄せられてしまう制服姿の少女がいた。彼女はこの電車に長く住み着く幽霊なのだという。渚というらしい彼女の優しさに触れ、日向は次第に毎朝の通学時間が好きになっていった。しかし、そんなある日の放課後。帰宅すると家には警察がいた。祖父母から聞かされたのは父の自殺。残酷な運命と、父を支えられなかった情けなさに日向は自暴自棄になる。夜の浜辺に響く慟哭は虚しく響いた。同時に、渚に伝えなければいけない言葉が流れ込むように浮かぶ。朝日が昇り、日向は電車に向かって駆け出していた。
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