凋落を以て、その願いは成就する

ある少女と人形の出会い。

少女は、人形をどう思っているのだろう。

少女にとって、その人形はただの遊び道具?
暇つぶしの相手? 飽きたら、どうでもいい?

人形は、少女をどう思っているのだろう。

人形にとって、その少女は……。


短編であるというデメリットを、まったく感じさせない秀逸な構成。
言葉選びもさることながら、少ない文字数で簡潔にわかりやすく内容を説明する点は、書き手側としても参考になること間違いなしです。

そして、無数の考察要素。
あくまで私の個人的な解釈ですが、話の表裏を楽しむことができる作品でした。フィクションとして読むのもよし、視点をどの人物に当ててもよし。自分の体験と重ねるもよし。短編ならではの、読了後の得も言われぬ余韻に浸りたい方に、是非とも読んでいただきたい作品です。