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概要
人生、足を引っ張り合う二人の青年 ──ピカレスクロマンコメディ
ボブは頼もしくて強かった。
僕はだらしなくて弱かった。
「ごめんよ…ボブ…」
「ノープロブレムだヨ!ユウっ!一緒に故郷に帰ろウっ!」
嵐に見舞われた密漁船。
僕の身体はまるで小枝のように吹き飛び、「もうだめだ!」と思った瞬間、ボブが力強く抱きとめる。
僕達は売られた。
ボブは家族に。
僕はユウジという幼馴染に。
荒れ狂う船に死に物狂いでしがみつく。
いつか故郷に帰れる日を夢見て──、
「──で?何か言うことはある?ユウジ」
こいつ…、しぶと過ぎるだろう…。
幼馴染のユウを密漁船に騙して乗せた、はずだった。
ヤツはズタボロの衣服のままたった2週間で舞い戻ってきた。
「……無事でよかった」
「無事で悪かったね」
「「………………」」
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