世界に一つだけの英
たてごと♪
世界に一つだけの英
「あらジンディ。久しぶり」
「やほー、ファネーラ」
「あ、こっこんにちは……」
「はいこんにちは、
「あ、ぼっ
「ノフォール君ね。初めまして、よろしくね」
「よっよろしくお願いします……」
「えーなにジンディ。こんな可愛らしい男の子連れちゃって、なんか目覚めちゃっ」
「違ううぅぅう!」
「あら必死?」
「ぐぬぬ」
「それで? 本日のご用向きは?」
「それが、こいつとはちょっと前に出会ったんだけどさ。身寄りが無いんだ」
「それをいいことに
「独り立ちまでって条件で面倒
「あら青天の
「ぐぬぬ」
「いえでも本当に珍しいじゃない。
「……見てらんなかった」
「え?」
「見てらんなかった! あ、あいつら、寄って
「ふうん。まあ、それもいいでしょう。でも、それで私の所に来たっていうのは、つまり」
「……そうなんだよ。できないんだよ。こいつも
「あらまあ」
「あたし〝
「なら見捨てちゃう?」
「……真面目に悩んでるんだよ」
「ごめんなさい。ところで、
「受けた。受けさせたけど……」
「芳しくなかった?」
「……一つも無いって」
「一つも」
「〝
「それは困ったわねえ」
「でもお前なら! ファネーラならどうにかできるだろ! あたしが
「そんな事もありましたねえ。でも私が、お金とかじゃあ動かないって事は
「……あい、お
「大船に乗ったつもりでいなさい」
「金より安いんだよお前」
「と、いうわけなんだけれども。
「あ、そっその、
「私ね。〝
「〝
「そう。その人に必要なのは何か、それが
「す、すごいです……!」
「でもねえ、これって
「ふ、副作用、ですか……。それってあの、三日三晩苦しむとか……」
「うーん、それくらいならまだマシねえ」
「えっ」
「違うの。何が必要か
「ぜ、全部、ですか……?」
「そう、丸裸。暴かれたくない事だって、たまには有るでしょう。それをみだりに言いふらしたりはしないけど、少なくとも私には全部
「……」
「あらあら、うふふ。どうするの? やめるって言っても〝
「いや。ゼッタイなのかよ」
「そう、ゼッタイ。……命に代えても」
「この上なく真剣な顔しやがって……何がお前をそこまで……」
「それでは、どうしますか? ノフォール君」
「……」
「……」
「……す……」
「ん?」
「お、お願いします!」
「あら」
「このままじゃジンディ様に、ずっと迷惑掛けっぱなしだから……だったら、だったら……!」
「えーなにジンディ。様付けで呼ばせてるの? やらしいわあ」
「本当に違うから! こいつがやめてくれないだけだから!」
「あらごちそうさま」
「ぐぬぬ」
「はいはい、それでは失礼しますね。えーどれどれ……っえ」
「え……な、何だよ……」
「……うーん、これって……はー……」
「そんな、やっぱダメなのか? ダメじゃないよな?」
「はい
「何だって? それって、あたしの教え方がマズかったとかそういう……」
「それはむしろ、逆ねえ」
「逆? どゆ事?」
「まず残念ながらね、〝
「……っ……」
「でもねえ、この子。一般的な
「えっ! そうなのか? そうなのかノフォール!」
「……はい」
「やった……やった! やったやったやったやったやった! よかったノフォール……っ!」
「あっジンディ様……っ、苦しいです、苦しいです……」
「でも、でも何でだ? できるんなら何で言ってくれなかったんだ?」
「あ、そっその、それは……」
「これは言えないわよ。言ってしまったらある意味、世界が
「何、それ……そんな
「そうねえ、ある意味
「ん、いや待て。さっきからその、ある意味ってどういう意味だ? まさかポンコツだとか……」
「んーん、本当にもの
「そ、そっか……せっかくそんなに
「……」
「で、でもさ……ノファールが何もできない奴じゃないって、あいつらが言うみたいな能無しじゃないって
「それは本心かしら?」
「え……何だよ」
「どうせ、見限るつもりサラサラ無いんでしょう? だからこそ鑑定の結果も、素直に飲まなかったんでしょうし。能力の
「ぐぬぬ」
「そういうわけでジンディ、
「……は?」
「え、あっあの、ファネーラさん?」
「まあ本当に
「いや、どゆ事? どゆ事?」
「説明はしないわ。仁義に反してしまうもの」
「じ、仁義ぃ?」
「いいから黙って言う事を聞きなさい。私が間違った導きをした事が、一度でもあったかしら?」
「あっはい」
「よろしい」
「あ、そっそのファネーラさん! あ、ありがとうございます……」
「ふふ、
†
「ふええ、
「たんまりと
「こんなに
「いいから食べなさい。ほらほら」
「うにゅう。それにしてもあの、〝
「そうよ。笑ってしまうわね」
「寄るひと寄るひと、ことごとく平手打ちにしてたって聞きますよお? 物理で」
「どうせ力とか名声とか、そんなのが目的の人ばっかりだったんでしょう。彼女、そういう人たち
「生い立ち、です?」
「それはそれは
「
「彼女がメキメキ力をつけたのも、それを見返したいって
「えっとお、それはそれでカッコいいですけどお、その手段が目的になっちゃうのはアレじゃないですかあ?」
「〝
「ところでところでえ、〝
「うーん、使える使えないで言えば、実は使えるのよね」
「えーじゃあ、〝
「船よ」
「船え?」
「そう、船。大海を渡るには普通、船が必要なの。泳いで渡ろうとしたところで、体温奪われ続けて普通に衰弱するし、そもそも人は
「えーそんなの死んじゃう。なのにその男の子くん、泳いで海を渡りきっちゃったのお?」
「そうなの
「そっかあ、それは確かにお宝だねえ」
「ううん、違うの。宝物って
「あー、オリジナルの
「そうそれ。あんな
「えーそれ、どんなシロモノだったんですかあ? 言っただけで世界が
「あら。やっぱり聞きたい?」
「聞きたい聞きたーい」
「うふふ、ナイショにできるわね?」
「言わなーいゼッタイ言わなーい」
「〝
「……わーお」
†
【
〈とても美しい花〉転じて〈とても優れた者〉の意。
そーいやこの字って{
゠了゠
世界に一つだけの英 たてごと♪ @TategotoYumiya
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