エピローグ

   

「起きなさい、優子。もうすぐ着くわよ」

 肩を揺すられて、ハッと目を覚ます。

 新幹線の車内だった。

「ありがとう、母さん。なんだか長い夢を見てたような気分だわ」

「あら、どんな夢?」

「わかんない、だって夢だもの。夢の内容なんて、起きたら忘れてしまうのが普通でしょう?」

 しょせん夢は夢に過ぎないし、そんなものを振り返っている場合ではなかった。

 私は将来、タイムマシンの研究をしたい。そのために京都の大学を受験して、見事に合格したのだ。

 数日後には入学式だが、もう今からワクワクドキドキしており……。

 早くも「今日から私は大学生」という気分だった。




(「今日から私は大学生」完)

   

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今日から私は大学生 ――タイムマシンに憧れて―― 烏川 ハル @haru_karasugawa

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