二十四時間体制の監視生活

 なんらかの実験対象として、ずっと視覚と聴覚を監視されたままの生活を送る、とある学生の物語。

 このレビューにはネタバレを含みますので、未読の方は先に本編をご覧ください。



〈 以下ネタバレ注意! 〉

 先生たちにモニタリングされている、という、何か誇大妄想のような考えに取り憑かれた人のお話です。
 いやもう、あまりにも悲しいというか、報われないというか……。
 おそらく彼自身が何かしたというわけではなく、急にこうなってしまったものと思われ、それだけになんともやるせないです。

 こればっかりはどうしてみようもない……。
 なるときはなっちゃうものというか、誰しもいつこうなるかわからないというのもまた怖い。

 彼自身は学校の先生たちを「観測者」と考えていましたけれど、でもある意味では「読者たる私たち」がその立場に当たるというふうにも読めて、その辺の構造の妙も楽しいお話でした。

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