現代の半妖が幕末に? 激動の時代は、妖怪の世界も大変です。

時は幕末。幕府だの薩長だのに分かれて国中が大きく揺れていたこの時代、妖怪の世界も穏やかではありませんでした。

そんな時代にやってきたのは、令和の世を生きる半妖の天狗、風花流樹。
彼は妖怪王の依頼を受け、混乱したトキの渦を収めることのできる、『天狗の大団扇』を探しに来たのです。ただし、本人の意思は無視した、半ば強制的に近いものですが。

右も左もわからない時代に来てしまい、しかも妖怪と言っても半妖なので、大きな力もない流樹。しかし彼には、頼りになる味方がいました。
一人は、猫又女子の菜々芽。そしてもう一人は、なんと幕末の大スター坂本龍馬。歴史好きなら、大喜びしてサインをもらうようなお方です。

そんな本作。幕末の描写はもちろん、そこに向かうまでの現代パートもとても丁重に書かれています。
早く幕末に行くのを見たいと思う方もいるかもしれませんが、こちらもとっても重要。
何がどう重要になってくるかは、最後まで読めばわかります。

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