苦しみから逃げるな、痛みの数だけ強くなる。

タイトルがいい。
飛べぬ燕ってなんだろう、と思わせて興味を抱かせている。

彼女のように、今年もどこかの大会で最後の競技を終えた子がいただろうと思わせてくれる。
とくに走る前の、顔色が悪く、吐きそうで、弱音を吐くところは現実味がある。

「もうきっと、この汗が流れることはないだろう」
説明ではなく表現で、陸上生活の終わりを暗示させている所が良い。

体が楽しければ心も楽しくなるのだ。
つらいことのほうが多かったに違いない。
けれど、燕は陸上をしてきて楽しい高校生活を送ってきたことが想像できる。
楽しいから走るのだ。

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