キャンバスの夜空に光る、白い月光。

　主人公は画家なのですが、どうやら夜空を描く作家さんのようです。その彼女が、「余った白い絵の具」に特別な思いをのせて、お話が語られていきます。

　作品の表層に現れている部分だけを読んでも十分美しく、優しい気持ちになれる話なのですが、「余った白い絵の具」が何を示しているのかをきちんと追っていくと、より深みのある物語であることに気づきます。

　注目すべきキーワードは「余った白い絵の具」「真珠」「月」「宇宙《スペース》」。

　見えない部分に潜む秘密に興味をそそられる方は、きっと楽しめることでしょう。また、短くてあっという間に読めます。是非、読んでみてください。