お家騒動から始まる、痛快時代小説。

舞台は昔の日本。
とあるお城で起きた襲撃事件。姫の命が狙われ、従者の一人が行方不明になってしまいます。

そして、そんなお城の騒ぎとは無縁なのが、町外れのあばら家で暮らしている娘、狐杜。
赤ん坊の頃に稲荷神社に捨てられていたのを育ての親に拾われ、両親に先立たれてからも、お隣さんや友達と助け合いながら元気に過ごしてきた狐杜。
そんな彼女が川で倒れている男を助けたことで、思わぬ騒動に巻き込まれることに。

お家騒動を描いた時代物で、登場人物が皆魅力的。
特に物語の鍵となるのが、川で助けた男です。
この男、助けたはいいけど何も覚えていない記憶喪失。しかしどこが普通じゃない雰囲気をかもし出すこの人は何者なのか。

話の所々に謎が散りばめられていて、それを解こうとする様子がミステリー小説のようにも思えました。
時代物が苦手な方でも、読みやすいと思います。

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