一、おばけは駄目だ
何度か落語のお仕事でお世話になっている地方の神主さんが
東京にいらっしゃった時に飯でも食おうかと誘っていただきました。
落語会の打ち上げなどでお話するときは他のお客様もいますし、
どうしても落語の話になってしまいます。
今回は神事について色々と聞いてみようと、焼肉をご馳走になりながら、
色々と聞いてみたところ、快く教えてくださいました。
神道で使う道具、お葬式のなど伺っているうちに、
「いわゆる除霊のお祓いもされるんですか」と私が伺うと
「やるよ」と一言。
「じゃあ幽霊とか・・・」
「まあ、病院に看護師の幽霊が出るから払ってくれと言われて行ったりする」
払うと幽霊はいなくなるんですか伺うと。
「俺は視えないから、わからないけど、出なくなったって言われた。
何か気になることでもあるのか?」
「特に私はないですが、そういう話が好きなので」と言う私を遮るように
「あんたは大丈夫、おばけも選ぶんだよ、あんたは大丈夫だから」
この話は終わりっ。
私も興味本位で変なこと聞いちゃってすみませんっと謝って、話題は変わりました。
最後にコロナ禍で芸人さんも収入が減って大変だろう、落語の仕事はまだコロナ禍も落ち着かないのでなかなか回せないけど、あんたは絵が上手いからスケッチブック
一冊好きな絵を描いて、それを俺が買うとおっしゃってくださいました。
コロナ禍が落ち着いたら落語でも呼ぶからそれまでのつなぎのつもりでと。
ありがたい心遣いに私も二つ返事で受けました。
私が「なんでも好きな絵描いて良いんですか?妖怪もいいですか?」
「駄目だ、おばけはだけは駄目だ」
でも「妖怪は可愛い妖怪もいますよ」と言ってみると
「おばけに可愛いなんて無いんだっ」とバッサリ。
なんだか、おちつかない。
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