落語家・柳家権之助のエッセイのようなもの。

柳家権之助

一、夜のノック

私は一度でいいから幽霊を見てみたいと常日頃思ってました。

でも怖いのは苦手、それでも幽霊は見てみたい、霊感はまったくないので見ることはありませんでした。

もし見る機会があるなら友好的で怖くない幽霊をみたいなあ、なんて思ってます。


そんな私が夏の暑い夜、部屋で本を読んでいると、窓をコンッ、コンッってノックする音がする。

初めは風かな気のせいかなって本読んでたんですけど、何度も何度もコンッ、コンッって音が続く。

まるで中に入れてくださいって言ってるように何度も何度もコンッ、コンッ、コンッ。


コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ、コンッ。


よくよく考えたら家は人が入ってこられるとこじゃない、人だったら怖い。

幽霊だっ!幽霊に違いないっ。ノックしてくれるなんて義理堅い幽霊だ。

義理堅い幽霊なら友好的に違いない、怖くない。

写真も撮れるようにデジカメ構えて「幽霊さんっウェルカム」ってカーテン開けて窓を開けたら、幽霊が勢いよく飛び込んできた。


ブーンブーン、カナブンでした。

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