一、ほうちょうおばけ

「うちの子、お化けが視えるみたいなんです」

あるお囃子のお師匠さんが教えてくれました。


まだ小学生に上がる前のお子さんで

「ほうちょうおばけ、ほうちょうおばけ、ほうちょうおばけ」と

部屋の誰もいないところを指指すそうです。

特に子供が怖がるわけでもないし成長過程で見られるイマジナリーフレンドの

ようなものだと思いあまり気にしませんでした。


ある時に興味本意で

「包丁おばけは男の子?女の子?」

「どんな服着てるの?」

「顔は?どんな顔」

子供に聞いたところ

「ほうちょうおばけはねぇ、きいろいドレスきたおんなのこでねぇ、ほうちょうもって、わらってるのぉ」と答えたそうです。


想像してなんだかゾクゾクっと怖くなったそうですが、

特に害もないので今もそのままにしているそうです。


ほうちょうおばけ、今も居るんです。

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