「あとがき」

 皆様、こんにちは。

 著者の「水澄みすみ」と申します。

 このたびは、『Purity-ピュリティ-』を最後まで読んでいただき、応援までしていただいた読者の皆様へ、心から感謝を述べます。

 今作品は「青春恋愛物語」であると同時に、”或る犯罪被害”と過去を軸に紡がれた「残酷なミステリー」というひとクセ強い内容になっていました。


 我ながら変わっているとも思いますが、私自身は「性犯罪に関する心理」についても昔から関心が強かったです。

 大学時代でも、精神医学や心理学系の授業や資料調査等を通じて、犯罪が与える様々な影響から被害者・加害者の心理状態や二次被害、PTSD、社会の偏見の問題等について調べていました。

 作中での被害描写はあくまで「現実であり得たであろう一例」に過ぎませんが、あれは「何故、犯罪被害は理解されづらいのか、「何故、被害者は声を上げづらいのか」、「被害者の苦痛は地獄そのもの」、「被害者の苦痛に終わりはない」を克明に訴えられていればと思い力をこめました。


 反面、たとえどんな過去・体験を味わったとしても「あなたはあなた」であること。

 「あなたは大切にされるべき価値のある人間」であること。

 「あなたを大切に思う気持ちに変わりない」誰かがはいてくれること。

 「何の過去も穢れもなく生きている人間は一人もいない」こと。

 大切なのは「穢れも含めてその人自身の美しさや心も愛する気持ち」であること――まさに、晴斗は”全て”を賭して美天を”愛する”ことで証明してくれました。


 二人と彼らを取り巻く人間の迎えた”この結末”は、ミステリー的にも倫理的にも賛否両論はあると思います。

 それでも、最後まで読んでいただいた皆様の心へ響くものがあれば、幸いです。


 長々と失礼いたしましたが、また他の作品でも皆様に会えるのをお楽しみにしております。

 最後までご愛読、ありがとうございました。


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Purity―ピュリティ― 水澄 @waterclearness5783

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